7/15(木) 第11ステージ サン・フルー(Saint-Flour) 〜 フィジャック(Figeac) 164km
前日に比べると距離が短く、中盤に2級山岳はあるものの、山岳ステージの中ではおとなしめなステージ。

今日も序盤はアタックの応酬。
6.5kmの4級山岳(Cote des Ternes)を狙って集団からファビアン・ウェッヒマン(GST)、ファン・ミゲル・メルカド(QSD)、ユーリ・クリフトソフ(AG2)が飛び出し、マルコス・セラーノ(LIB)、リック・ベルブリュッヘ(LOT)の2人も加わって5人で逃げる。 ジロの山岳賞ウェッヒマン、子供っぽい顔がかわいいのでツールの山岳でも期待していただけに、今までちっともTVに映らず「ほんとに出場してたっけ?」とさえ思っていただけに安心。

12kmくらいで先頭グループが20人前後にまで成長し、アームストロング、ハミルトン、マヨ、ウルリッヒらはいるが、ボエックラー、ヴィランクは第2グループに残ってしまうが、18kmあたりで全員1つの集団に戻った。
約20km地点、イェンス・フォイクト(CSC)、ハビエル・ザンディオ(IBB)、ファン・アントニオ・フレチャ(FAS)、ウナイ・エチェバリア(EUS)、パトリス・アルガン(CA)が飛び出す。集団はUSPがコントロールして吸収する。

30kmを過ぎてフォイクトが再アタック。オスカル・ペレイロ(PHO)、イニゴ・ランダルーチェ(EUS)、ウラジミール・カルペッツとアイトール・オサ(IBB)、ダビー・モンクティエ(COF)、ダリウス・バラノウスキー(LIB)も一緒に逃げるが、約2kmで全員吸収された。
ニコラ・ポルタル(AG2)、ランダルーチェ、マテオ・トザット(FAS)、マイケル・ロジャース(QSD)の4人が逃げる。Cote de Therondelsの手前でフォイクト、アラン・デイビス(LIB)が先頭の4人に追いつき、6人で登り始めるが山頂前で集団に吸収される。

48.5kmの3級山岳(Cote de Therondels)、リシャール・ヴィランク(QSD)、クリストフ・モロー(CA)、エゴイ・マルティネス(EUS)、ミケーレ・バルトリ(CSC)の順に通過。 モローは前日も山岳ポイントを穫っていたけど、総合が狙えなくなった今、山岳賞を狙っているのかしら?
下りで踏み続けたマルティネスにモンクティエが追いつき、2人と集団とのタイム差は15"以上。25"離れてからホセ・アントニオ・フレチャ(FAS)が集団から2人目指して飛び出したが、フォイクトはとうとう飛び出さなかった。

フレチャ(FAS)、モンクティエ(COF)、マルティネス(EUS)の3人でCote de Mur-de-Barrezのふもとでは差は30"になる。
62kmの4級山岳(Cote de Mur-de-Barrez)、モンクティエ、マルティネス、フレチャの順。タイム差は2分。
82km、レースを半分終えてタイム差は6'10"に広がった。

ウルリッヒの山岳アシスト、ジュゼッペ・グエリーニ(TMB)がバイク交換で集団から遅れていた。
99.5km2級山岳(Cote de Montsalvy)、モンクティエ、フレチャ、マルティネス、集団からヴィランクが飛び出し4位通過、ローラン・デュフォー(QSD)、クリストフ・リネロ(RAG)が続き、あとは集団。タイム差は7'17"。
第1スプリントポイント、モンクティエ、マルティネス、フレチャ。レースでは一般に、「ステージは狙わないからポイント取らせて」とか「ポイントは順番に通過して最後に真剣勝負でいこう」とか話し合いが持たれることが多いのですが、1フランス人と2スペイン人の間では話なかったのかしら。山岳もスプリントもモンクティエが1位通過だった。

登りかけたところで集団が止まった。落車かと思えばコースの先頭に5頭の牛(角あり!)が。観客?飼い主?が誘導してレースは元に戻った。 マニュス・バクステット(ALS)がリタイア。出場選手中一番体重のあるバクステットはやはりステージでの山岳越えは厳しかったのかな。

128km地点、第2スプリントポイント、またモンクティエ先頭、フレチャ、マルティネス。
148kmの4級山岳(Cote de Bagnac)、モンクティエ、マルティネス、フレチャ
残り15km、7'52"、集団が追い上げる様子はない。
残り10kmを過ぎて、フレチャがアタック。マルティネスが追走、最後にモンクティエ。 すぐにモンクティエがカウンターアタック。2人がけん制して差が広がる。 タイム差が32"ひらく。集団とは6'28"。
残り7km、2人との差は54"、集団との差は6'20"。
残り5kmを切って2人との差は1'20"。もう1つ丘を越えるが1分以上あるので逃げ切れるだろう。 順調に差を広げてゴール地点の地元フィジャック出身のモンクティエが大きなガッツポーズで優勝!

集団はUSPが先頭を引く。その後ろにはスプリンターたちがひしめく。 ベッティーニが先頭、その後ろにザベル、ハスホフト、マキュアンと続く。最後のコーナーを曲がったところで、ベッティーニは下がり、ハスホフトがすーっと前に出て、ザベル、マキュアンは捕まえきれずハスホフトが集団トップだった。危険回避のために先頭を引いていたUSP、アームストロングはゴールスプリントのも参加していて全体的に9位でゴール!うっかり集団に隙間ができてタイム差がついたら大変ですからね。 アームストロングから12"遅れにシモーニ、シャバネル、17"遅れでエラス。タイムトライアルが不得意なエラスとしては、こういうところは1秒でも落としてはいられないんじゃないかなぁ。
ステージ順位
1位:ダビー・モンクティエ(COF) 2位:ホセ・アントニオ・フレチャ(FAS) 3位:エゴイ・マルティネス(EUS) 4位:トル・ハスホフト(CA) 5位:エリック・ザベル(TMB)
6位:ロビー・マキュアン(LOT) 7位:パオロ・ベッティーニ(QSD) 8位:ダニーロ・ホンド(GST) 9位:ランス・アームストロング(USP) 10位:スチュアート・オグレディ(COF)
トマ・ボエックラー(BLB)ロビー・マキュアン(LOT)パオロ・ベッティーニ(QSD)トマ・ボエックラー(BLB)
総合順位
1位:トマ・ボエックラー→(BLB) 2位:スチュアート・オグレディ→(COF) 3位:サンディ・カザル→(FDJ) 4位:マニュス・バクステット→(ALS) 5位:ヤコブ・ピール→(CSC)
6位:ランス・アームストロング→(USP)