*は訳者注です。
7/13(土) 第8ステージ ラルプデュエズの頂上で (タイラー・ハミルトン:CSC)
なんていろんなことのある1週間だったんだろう。

先週の日曜の夜、僕、そしてチームの誰も士気が下がっていた(*第1ステージのあったこの日、ハミルトンは落車に巻き込まれて鎖骨を骨折したので)。 それが7日たった今日、あの時には想像もできなかったような1日をもたらしてくれた。

ツールがスタートして以来、チームを覆っていた感情の落ち込みは説明することができない。 それでもみんなが僕を支持してくれたし、僕もレースが続けられるように努力した。 みんなのサポートなしには僕はありえなかったと思う。

今日のレースは、全てのチームメイト、全てのスタッフの努力の集結が実を結んだものだった。 にもかかわらず、ステージ毎に僕たちはいろいろ考えていた。

ゲームプランを考えるのは容易ではなかった。 金曜の朝、僕はチームドクターと妻とで非公式なミーティングを行った。 この4日間、相当な痛みをこらえながら平坦コースを走りぬいた。 山岳コースとなる第7、8ステージを登るチャンスについて、現実的に考える必要があった。 僕たちは約束した。 もしこの山岳ステージで15分以上後れるようなことがあれば、その時はレースをストップすると。 これが僕たちの取り決めだった。

背骨と肋骨にひどい痛みを感じたまま昨日のステージを終えた。 (*骨折している)鎖骨の痛みが少しずつ扱いやすくなり始めてから、他の打撲傷がもっと明らかになる、というのが一致した見解だった。

まるでふだんの状態ではなかったが、その状態にちょうど慣れ始めているかのようだった。 しかしいい方に考えると、今日は自転車の上に少しだけ立って乗ることができて嬉しかった。 まだ100%の力で加速することはできないものの、少しずつ力が戻ってきたように感じていて、それは僕の士気を高めてくれた。

「ひどくやさしいファン」
ラルプデュエズの登りには今日は観衆がつめかけていた。 ファンはクレイジーだった。 ファンは水をぼくらにかけ、大きな登りでやるようにコースにつめかけてきた。 しかし応援することや選手の背中を押すことにちょっと夢中になりすぎてるファンもいた。 (*骨折している)右肩が2回興奮したファンにたたかれた。 が、ラッキーなことに、痛みは無かった。

今夜はこのラルプデュエズの山頂に泊まる、なぜならステージの後に下山するのはほとんど不可能に近いからだ。 ラルプデュエズへの道は1つしかなく、そこは何日も前から観客や車でいっぱいになっているのだ。 だから、ステージを追って下ろうとする人たちの中には、結局早朝から車に乗っているという人もいる。

ラッキーなことに、ここにはスキーリゾートがたくさんあるために、ホテルの部屋には困らない。 観客が自転車を跳び降りてホテルに歩いていくならば、それはいつもボーナスなのだ。 長時間の移動は日々がエンドレスであるように感じさせる。 今夜は定刻に夕食を食べた最初の夜だった。

昨夜は驚くべきゲストが来た。 CU(*コロラド大学かな?)サイクリングコーチのエリック・シュミットがバケーションでツールドフランスに来ていて、ホテルに立ち寄ってくれたのだ。僕が大学に戻った時より25ポンド(*約11kg)もやせたので、エリックには僕なのか見分けがつかなかったそうだ。 思うにその頃はビールを飲んでいたしね。 彼に会えて嬉しかった、特に彼は僕が自転車競技でのキャリアを始めるのを手伝ってくれた人の1人でもあるので。 お互いに僕が7回もツールを走ることになるとは考えてもいなかった。 そのことが、チャンスがどこにつながっていくかは全くわからないということを示していると、僕は思う。

この日記での参加があまり面白いものにならなかったらごめんなさい。 僕たちは今夜ホテルでCNBCを見ていたのだが、「トゥナイトショー」の再放送と、コーナン・オブライエンの深夜放送がやっていた。 自分自身を引き離して厳しいトレーニングをしていたので、アメリカのテレビを見たのは7ヶ月ぶりだった。 笑いがあって良かった・・・たとえゲストが誰なのか「分からなかった」としても。

「舞台裏で」
今年のツールドフランスではより高いケイデンスで走れるよう集中しようとしている。 ギアを標準の53*39のかわりに52*39で走っている。

読んでくれてありがとう。