*は訳者注です。
7/11(金) 第6ステージ 鎖骨キャンプ中の生活
僕たちは6つのステージをこなしてきた・・・それは先週の日曜に考えていたよりも5つも多い。

それでもなおここ鎖骨キャンプで日ごとに物事を受け入れている。 昨夜は2回目のレントゲン写真を撮った。いいニュースは、鎖骨がそれ以上傷になったり転置していないということだった。悪いニュースは、直っている形跡が全くないことだった。僕たちはいい方のニュースに注目することにしたから、ふだんと同じ考え方で今日のステージをネベールからスタートした。僕たちに何ができるか見ていてほしい。

自分の状況に全神経を集中させなくてはならないということには、完全に驚いた。 長いことバイクに乗っているが、今までに経験したより多くのアップダウンを耐えている。しかし、ぴったりついて行かないと成功も逆転もあり得ないのだ。

カルロスのために走る
僕をサポートしてくれる全ての人に本当に励まされた。どうしてこのコンディションでレースを続けるのか不思議に思っている人も多いだろう。レースに残ることについて明快な説明することはできないが、自転車競技はチームスポーツだからと言うしかない、そしてツールドフランスはアメリカ人にとってのスーパーボウル(アメフト)と同じなんだ。 ここにいる(ツールに参加している)どの選手にとっても、想像できる限りの一番最悪なことというのは、家に帰ることに直面し、そして自分がチームの一員としてすべきだった仕事を残してチームを去ることに直面しなくてはならないことなんだ。

だが僕は現実的でもあるんだ。今までに6度のツールを経験しているから、パリまで走り抜けることを証明しなくてはならない、というふうには感じてない。僕が今までツールに残っている一番の理由は、自分がどこまでくらいついていけるか知りたいのと、大切なともだちであるカルロス・サストレのためにサポートしたいからなんだ。

この1年半強、カルロスはは僕のためにとてもよく働いてくれたから、恩返しする機会をたくさん作るぞ、という気持ちなんだ。僕はカルロスのためにもチームタイムトライアルで貢献したかったし、明日の山岳ステージでカルロスのために僕がまだなんらかの仕事をすることができるかがわかるだろう。

今はダンシングができるかどうかがちょっと心配なんだ。体の右側はフルパワーの半分でしか乗ることができない。だから、この2,3日は集団に合わせて加速するとペースを保つのが難しかったんだ。先頭集団に残るためには、登りでスピードがアップする時にハンドルバーを引っ張る力が本当に必要なんだ。

もし先頭集団に残ることができなければ、信頼する友(*サストレのことでしょう)のために何のサポートもすることができないだろう。そしてもしそれができなければ、それからこのレースにおける僕の役目が再評価されることになるだろう。僕が言ったように、ポケットにめいっぱい詰め込むために近くで待ってるんじゃない。本当にチームのために働きたいんだ。でもそれができないとしたら、その時こそ決断の時になるだろうね。

オールは魔法を使う
オールは週の間ずっと僕の鎖骨、首、背中を熱心にみてくれた。オールの努力をたたえて、ベルヌ監督はデンマークから大気中のイオンセラピーの専門医が僕に会いに来るように招待していた。ドクターは骨折が直るのを促進するような数時間分の価値のある治療をしてくれた。治療については詳細を知らないが、この時点で僕はオープンマインドをキープしている。

題名とそれてしまうが、今年のツールの観客は本当に驚かされる。アメリカの国旗を手にしている人がかなり大勢いた。自転車競技がまだ成長中で人気のスポーツだということが分かって良かった。しかしながら、今年は少しクレイジーなファンがいることも言わなくてはならない。2日前には集団内にクラッカーを投げ入れた人もいるし、最近は2人組の男の人が実際につばをはいてきたし。こういったことがけがにつながらなければいいのだが。その代わりに、休みの日に車をぶっとばして来たような2,3人の人々がいたことも記しておく。

舞台裏で
僕の妻と愛犬が月曜日にレースに到着して、彼女たちが来たのは落車後の僕を自宅へ連れて帰るためなんだと考えていた。しかし彼女たちのミッションはちょっと変更になった。今彼女たちはツールを追いかけています。そしてツールは90ポンドのゴールデンレトリバーにとっても大きな偉業なのだ。縁起かつぎで、毎朝タグボート(*愛犬)のお気に入りのテニスボールをレースバッグに入れていて、その中にはチームのあるメカニックの友達で応援のリーダーからもらったもので、ジャージのポケットに入っている塩の小瓶も入れてさらに持ち歩いている。

これで今、僕がこんなにがんばってる理由がわかってもらえたと思う。

読んでくれてありがとう