*は訳者注です。
7/23(水) 第16ステージ 終了するまでは終わりじゃない (タイラー・ハミルトン:CSC)
(前半省略、後日・・・by 訳者)

今日は集団後方でスタートした。突然僕の前に集団との差ができて、第2集団になってしまった。チームメイトが4人戻ってきて第1集団の前方へ僕をひっぱってくれた。この時すでにチームメイトのニキ・ソレンセンを含む数名がアタックを決めていた。

最初の登りに着いた時に、無線でベルヌ監督に自分はどうするべきかを聞いた。監督はもし自分の調子が良いのなら行くべきだと答えた。それで僕はアタックしたんだ。今年のツールで最も勾配のきつい登りのふもとにつくまで、次の30kmをニキと僕は協力して走った。そして今が行動を起こす時だと思った。それから、今日のステージの半分以上を残して、僕は単独で先頭を離れた。

今日のステージのプロフィール(*断面図:標高差などが分かるもの)は、一見すると大きな登りが2つあって、それからゴールまでは平坦コースのようだった。ステージを下見しないと、あの2つの登りの勾配がどれほどきついか、あるいは最初の登りの後にどんなにテクニカルな下りが待っているかは分からないだろう。

コースプロフィールでは平坦コースとあっても、そんなに平坦じゃないってことは、僕が請け合うよ。ゴールまではずっとアップダウンが続いていた。最後の20kmは永遠に続くかと思った。ずっと舌を出してたんじゃないかな。僕の人生の中でこんなに大変だったことはない。今日のステージ優勝は僕にとって特別ということだけでなく、このレースで僕を支えてくれた全ての人々、僕のレースを続けたいという気持ちを支持してくれた人々への勝利なんだ。

もし2週間前に今日の勝利のことを教えてくれる人がいたら、沼地(*どうにもならない土地)を売ってあげるつもりだったのに。だがそれがロードレースなんだ。 極端な低速が極端な高速にたちうちできることもある。

僕の妻は第1ステージの事故以来レースにいる。今回は彼女にとって最も長期で無計画な旅となった。今日チームスポンサーのCSCが彼女をレースヘリコプターに乗せてくれることになった。オル(*マッサー)はタグボート(ハミルトンの愛犬)をホテルに連れて行くことを申し出てくれたので、彼女はヘリコプターに乗ることができた。2つ目の下りのふもとで友人達と共にヘリコプターに乗り、約30kmレースを追いかけた。ヘリで飛んでいる間みんなは風景を楽しんでいたのだが、Havenはパイロットに僕を追いかけるように言っていたらしい。彼女は今日の午後コートサイドの席でサイクリング観戦をしたようなものだ。

今日は僕たちの中で誰もが忘れられない1日になった。

今日のレースで後れた僕を先頭までひっぱってくれたチームメイトに感謝の言葉を言わなくては。そして僕に代わって逃げ集団をちぎるために黄金の足を使ってくれたニキにもお礼を言わなくては。

舞台裏で:
選手達はどんな朝食を食べているのかという疑問に対して、少しヒントをあげよう。 ここにチームで「朝食ボックス」と呼ばれる透明のプラスチックの箱がある。ここには朝食だけでなく毎食入ってるんだけど。

中には4種類ものシリアル、大きなヌテラの瓶(*チョコクリームみたいなのでとても甘くておいしい)、豆乳、シュガーフリーのジャム、ケチャップとマスタード(卵やごはん、パスタに使う)、カフェイン抜きコーヒー、はちみつ、パルメザンチーズ、オリーブオイル、バルサミコ、ナッツ、低シュガークッキー、ライスケーキ、水、果物が入っている。

もしCSCがチーム総合1位をキープして優勝を狙うのであれば、あと4日、僕たちにはまだたくさんの仕事があるだろう。そしてもし今日の平坦コースのように「平坦」(*実際結構起伏があった)な日が続くなら、それでも自分たちのために仕事をやめてしまうだろう。だからエネルギーを送ってほしい。大歓迎だ。

読んでくれてありがとう。