7/21(月) 第15ステージ 第5週目からのニュース(タイラー・ハミルトン:CSC)
更新が遅くなって申し訳ない。この2,3日、ちょっとずつ打ってたんだ。 自分にとってはツールドフランスは3週目というより5週目くらいの感じがする。 総合を狙う選手の大半は第1週は体力を温存する。でも僕はスタート以来ずっとリベットの上にいるような感じだ。おそらくアドレナリンと不信が序盤の10ステージの自分を切り抜けさせたんだろう。そのレースを続けようとする全ての努力が損失をもたらした。そしてその結果ピレネーでは自分がやろうとしていたよりも大きなチャレンジになった。

今日のステージはスタートの合図から2km登ったところで始まった。 アタックが相次ぐが最初の50kmの間、プロトンは1つだった。そんなのはいつまでも続くはずはなく、過酷な1日が始まった。ケガの後はとにかくできるだけ着実に集中して走るようにした。自分自身の100%の力で加速に反応することができなければ、できるだけ矛盾無く存在することが一番のチーム戦略だと分かった。アタックはいつまでも続くものではなく、結局はペースが少しずつ落ちてくる。そういう時に望みをつないで、狙える位置でじっとしてたんだ。今日は僕の作戦通りで、先頭に残ることができたんだ。

今日の最後の登りでランス(アームストロング)が落車し、立ち直ってきたことで、彼の闘争心を見せつけられたね。人々は今年のツール(優勝)にはアームストロングを除外していたように思うんだよね。大きな間違いだよ。彼の落車は観客のバッグが何かがハンドルバーにひっかかって起きたものだった。そういったこともスポーツの一部分とは言え、こういうアクシデントが結果を決定するべきじゃない。マイヨジョーヌが集団に戻ろうとしている間は、アタックをせずに待つべきだと集団のメンバーに合図したんだ。2年前のツールでウルリッヒが下りで落車した時にも、アームストロングが同じジェスチャーをしたんだ。待っていたのは正しい行動だと思う。

バスクのファンは大勢ピレネーに来ていたね。今日の登りでは帽子もシャツも旗もオレンジの海だった。バスク人は自転車競技に対してものすごく熱狂的なファンだと言わざるをえない。彼らには選手にぴったりくっついて応援する哲学でもあるみたいだね。バスクの人たちは本当にファンだね。選手を誰だか分かって、選手の名前を歌ったり、名前を呼んだりして応援してくれるんだ。しかもレース後リュズアルディダンの下りで、野球帽をかぶっていたのに僕が誰だか分かっちゃうんだから。そしてレース中に僕を見た時と同じように、レース外でも興奮しちゃうんだよね。

昨日は僕にとって厳しい1日だった。登りはきつかったけど、最初の2週間ずっと足が衰え始めていたところに、力を感じることができた最初の1日だった。これはいいことだね。

土曜日のステージ(13ST:CSCサストレが優勝)は、チームにとって大成功を証明した。個人的にはつらいステージだったけどね。始めに、あの日の1日はホテルを出る時にエレベーターのドアにぶつかって始まったんだ。明らかにセンサーが作動してなかったね。僕は時計みたいになってあれは相当鎖骨にきいたよ・・・レースに向かうには良い兆しじゃないよね。

この日(13ST)はピレネー初日、気温は100℃(華氏温度、摂氏38℃)越えてたよ。コル・ド・パイエール(峠)はこの日の大きなポイントとなった。ここは大きなカテゴリーで18kmにわたって登りが続いている。それは5月に下見した時に知っていて、この登りが決め手になるなと思った。でもがっかりはしてない。あの状況ではよく走れたと思う。ほとんどみんながそうだけど、前日のタイムトライアルの脱水症状の影響で調子が悪かった。

朝のチームミーティングで、カルロス・サストレと僕が総合上位にいるので、2人ともトップ10を狙える位置にいる、ということを話し合った。パイエールを半分登ったところで、カルロスが「アタックしてもいいか」って聞いてきた。なんといってもカルロスは今シーズン僕のためによく働いてくれたし、こんな機会をあきらめろなんて言えるわけがない。流れは彼に良く動いて、CSCにとって2度目のステージ優勝をあげることができた。だが僕には物事はいい方に流れなかった。カルロスがアタックした後の25kmで、無線を呼んで補給するために右手をあげたんだ。道の混雑とコミュニケーションの問題があってベルヌ監督の乗っているチームカーが僕のいるところへ上がってこれなかった。だから僕は相当危険な状況だった。

最後の登りのふもとに近づく頃、ようやくベルヌ監督が到着した。でもそれまでに相当お腹がすいてたんだ。当然ジェル状のドリンクを流し込んだけど、それは大きな登りの前にするにはあまり賢いことじゃない。腹痛を起こすかもしれないし、吐き気がするかもしれない、とりわけこの前みたいに暑い日はね。アタックがあった時、本当に苦しくなり始め、さっきの補給が効果を出すには時間が十分じゃなかった。先頭集団から離れなければならず、あとは自分のペースで走るしかなかった。もしあの流れについていこうとしていたら、僕はめちゃくちゃになっていただろうに。そしてその後どうなったかは分からないだろう。

水のことでやけになっていた僕は、道のわきに止まっていたAquarel(スポンサーの1つで水を配っている)のバイクから水のボトルをとろうとした。バイクの後ろのキャリアにつんであるボトルがどのくらい奥にあるのかわからなかった。通り過ぎざまにボトルに手を伸ばした時、まるで街灯でもつかんだかのようだった。ボトルは微動だにしなかった。そしてドリンクをとる機会を逃しただけでなく、鎖骨骨折をしている右側の腕を伸ばすというミスまで犯してしまったのだ。その瞬間、今までに行ったあらゆる治療が無駄になった。

CSCはこの2日間でチーム総合1位になっていて、これは僕は愛犬タグボートのためにライオンのぬいぐるみ(1位にプレゼントされる)をもう少し集められることを意味している。なんといってもタグボートは第2ステージからツールと歩調をあわせて旅行してきてるんだ。事実上タグボートはチームが持っているのとほとんど同じくらいぬいぐるみを集めたことになるね。

最後に、昨日チームメイトを亡くしたAG2rにお悔やみを申し上げます。Laurie Aus選手はトレーニング中に酔っぱらい運転の車に追突されたとのこと。直接彼のことを知るわけではないが、若い家族も残していると聞く。こういったニュースはいつも 自転車レースのようなスポーツの問題提起となるだろう。

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