7/14(月) 第9ステージ ▲ ブール・ドワザン 〜 ガップ 184.5km
今日は序盤に1級山岳、超級山岳があるという予想困難なステージ。 38km地点に1級の山岳ポイントがあり、スタートからアタック続出で、昨日のアームストロングの走りに隙を感じた選手が多かったという感じです。 山岳ポイントはSaecoディルーカ、Kelmeパッラ、Bianchiガルメンディアの順で、ONCEヤクシェ、Bianchiカセロ、Alessioペッリゾッティ、Telekomアールツ、Cofidisモンクティエ、FDマクギー、Euskaltelアルベルト・ロペス、Viniザンピエリの10人の集団が逃げています。ディルーカは体調不良のようでしたが、悪いなりに調子を整え活躍すべき時にできるんですね。メイン集団には3分ほどの差をつけていました。集団はUSPSがアシストをがっちり固めてアームストロング、そのそばにウルリッヒ、ベロキなどのエース格がひしめいています。

下ったところで、メイン集団との間にいたiBanestoフレチャとラストラス、CSCペロン、AGチャウレアウの4人が先頭においつき、14人の集団に。メイン集団との差は約2分。
ONCEヤクシェ、Bianchiカセロとガルメンディア、Kelmeパッラ、Alessioペッリゾッティ、Euskaltelアルベルト・ロペス、Saecoディルーカの7人、Cofidisモンクティエ1人、FDマクギー、Viniザンピエリ、CSCペロン、AGチャウレアウ、iBanestoフレチャとラストラスの6人に分かれ、マクギーはさらに1人後れ、カメラにも「今日はおしまい」とでも言うように敬礼をしていました。
超級の山頂1km前、山岳ポイント狙いで先頭からガルメンディアがアタックし、ヤクシェ、パッラの順で通過。集団の先頭狙いでiBanestoマンセボーがアタック、すぐにヴィランクが抜き去ってヴィランクが集団での先頭通過。

2級山岳ポイント近くでヤクシェがペースアップ。パッラ、カセロだけがついていき、先頭は3人に。ペッリゾッティ、アルベルト・ロペス、ディルーカはついていけず、ガルメンディアは後れ始めました。集団からミラーが飛び出しました。ペニャ、ランディスはお疲れさまで集団後方に。ガルメンディアがメイン集団に抜かされ、おそらくその後ろの集団で進んでいく模様。一度切れたペッリゾッティが先頭3人に追いつき4人になるが、やはりヤクシェ、パッラの2人に。下りに入ってカセロが追いつきます。メイン集団との差が縮まり始め、うまく統率がとれなくなり、ペースも上がらなくなってきました。
2級山岳の1km前でベロキがアタック。これで集団は崩壊。USPSはアームストロングとエラス、CSCハミルトン、Telekomヴィノクロフ、Bianchiウルリッヒ、Euskaltelマヨとスベルディア、という実力者のみのコンパクトな集団になりました。

3級登りに入って先頭4人がヤクシェ、パッラの2人に。山岳ポイントで集団との差は約15秒。集団からスベルディアがアタックして吸収されたところで、ヴィノクロフがカウンターアタック。猛チャージで先頭2人を追い越し一人旅に。アームストロングはエラスを待たずにヴィノクロフを追いかけます。ベロキと2人で交代しながら下っていたところ、コーナーでベロキが落車。ぎりぎり避けたアームストロングはコースアウトするのですが、くの字コーナーだったのでそのままショートカットし、バイクをかかえてコースに戻り再びまたがったところに、後続のハミルトンたちが来てあやうくクラッシュしそうになり、怒りをかっていました。と思ったのは私の勘違い。ハミルトンはアームストロングもケガをしているのではと心配して「大丈夫?」と聞いて手を出したのでした。昔はエースとアシストでも、今ではライバル。そんな時まで他者を思いやるハミルトンはなんていい人!しかもコメントを見ていると「USPSに感謝」みたいな口調でほんとびっくりです。こういう人にはぜひ1勝してほしいです。そしてアームストロングはうまく先頭集団に入ってスプリントゴール。

ベロキの容態はよく分かりませんが救急車で運ばれていき、戦線離脱を余儀なくされました。総合優勝を狙っているからこそのヴィノクロフへの猛追だったわけで、それが結果として落車を招き、レースを去ることになってしまったという点が残念でなりません。 それにしても、ベロキの落車を寸前でよけ、ショートカットをしてしまうというアームストロングのとっさの判断力に驚きました。しかも道路に出るときには一度バイクを降りて溝を越え、バイクをかかえて道の真ん中に出て乗ってしまうという、まさかの展開でした。

1位ヴィノクロフ(TEL)2位ベッティーニ(QSD)3位マヨ(EUS)4位アームストロング(USP)5位ウルリッヒ(BIA)
6位バッソ(FAS)7位トーチニヒ(GST)8位マンセボー(BAN)9位スベルディア(EUS)10位ハミルトン(CSC)
リーダージャージ:アームストロング(USP)ポイント賞:クック(FDJ)山岳賞:ヴィランク(QSD)新人賞:メンショフ(BAN)